メガバクテリア症 2
− 先の見えない不安 −
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久々の豆苗に大喜び
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ヤッピーは薬の入った水を飲まなかった。私が家にいる時間は朝晩だけで、そんなに長い時間ではない。ずっと見ている訳ではないので、見ていないときに多少は飲んでいたのかもしれないが、薬を拒否しているのは明白だった。
チェリーの方は、最初、変な顔をしたが、その後は気にせず普通に飲んでくれていた。
ヤッピーは、青菜をバリバリ食べ、水分補給しているようだった。チンゲンサイの茎までかじり尽くされていたものだ。
何としても薬を飲んでほしかったので、スポイトで強制的に飲ませてみた。ものすごく抵抗されたが、飲まなくてはならないことは理解してくれたようだった。
翌朝、水を替えたとき、すぐにやって来て、「ほらネ」とでもいうように、一口飲んで見せてくれた。なんというお利口さんかと驚き、喜んだが、結局は目の前で飲んで見せてくれたのはそのときだけであった。
ヤッピーは注目されているのが分かるのか、ハイテンションではしゃぎまわっていた。
そう、ヤッピーは随分と我慢していたのだ。1年前にウサギたちが来てから、遠慮していたのだ。ウサギたちに対しては、初めのうちは興味しんしんで、後をつけ回したりしていたし、その後も牧草をもらうために、しょっちゅうウサギの所へ出かけており、割合に友好的な関係であった。それでも、飼い主の愛情を半分持って行かれたようで、寂しかったのだろう。
それに加えて、オカメインコのサブレがヤッピーに八つ当たりをするようになっていた。ヤッピーのストレスは相当のものだっただろう。
そのストレスが引き金になって、メガバクテリアの増殖を許してしまったのかもしれない。
心底、ヤッピーにすまないと思った。ヤッピーが不幸になることだけはすまいと誓っていたはずなのに、結局はこの子が一番割を食っているのだ。
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ムキ蕎麦の実に、はまる |
コンパニオンバードNo.02のメガバクテリア症の記事を何度も読み直してみる。
早期発見できれば完治可能だといいつつも、重症化するまでは殆ど症状が出ないこと、逆に食欲や元気が過剰になることもあること等々、書かれている。薬剤耐性菌が存在するというのも、気になるところだ。
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ヤッピーが感染しているのは確かとしても、では一体どの段階なのか・・・発症しているといっていいのか、もしそうならば、それは初期段階といえるのか、それともすでに、ひそかに病状が進行しているのか・・・分からない。
「文鳥には殆ど病害を出すことはない」ともあり、この1行にすがりたい気持ちであった。
「文鳥も普通に感染するが、発症しない」という意味であれば嬉しいが、実際、どれほどの症例を見てこう言っているのか、記事だけでは分からない。
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2006年11月18日(土) 2回目の診察
前回診ていただいたときには、今にも大変なことになってしまうかのような勢いでおっしゃっていた先生だが、今回はだいぶトーンダウンしていた。全身の状態はもちろん、聴診器と検眼鏡まで出して診てくださった。
メガバクテリアの数は全く減っていなかった(薬を飲まないのだから当然だ)が、それにしては、どうしてこんなに肉付きも色つやも良いのか不思議でならないといった様子であった。チェリーもいくつかフンをとって見ていただいたが、メガバクテリアは確認されず、これまた信じられないというようであった。
文鳥では重症化しないという記事を雑誌で読んだが、実際、どうなのか?
そして、この病院で過去にメガバクテリアの文鳥を経験されているのかどうか聞いてみた。
「文鳥は来院数自体が非常に少ないので、はっきりしたことはいえませんが、少なくともこの病院では、文鳥がメガバクテリアで亡くなったということはありません。」
ということであった。
要するに、ヤッピーが命も危うい状況なのか、それとも実は何ともないのか、全く分からないということだ。
いずれにせよ、治療しないという選択肢は考えられなかった。仮に今は無害であったとしても、将来、加齢や何かの拍子に突然、病害を出し始める可能性もあるかもしれない。
ちゃんと薬を飲ませたかったので、飲水投与ではダメだと言ったが、結局は同じ薬しか出してもらえなかった。
水に溶かしたものを、直接飲ませてもよいか尋ねたら、
「それはかまいませんが、誤投与したら即落鳥しますよ。」
と言われて、絶句した。文鳥に薬を飲ませた経験は何度もあるので、こちらとしては直接投与することに何の躊躇もないが、そう言われてしまっては、何だかがっくりきた。
次はまた2週間後にということであったが、このまま続けても同じことの繰り返しではないのか?
ヤッピーは薬を受け付けず、ただいたずらに時間が経過していくだけではないのか?
そうこうしているうちに手遅れになってしまわないか?
ここの先生が本当に真剣に診てくださっているのは分かるが、ヤッピーが治ってくれなければ、どうしようもない。
数日間悩んだ挙句、私は転院を決意した。
やはり、鳥専門病院に行こう!
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